クイーン・エリザベス2

クイーン・エリザベス2(クイーンエリザベス ツー、RMS Queen Elizabeth 2もしくはQE2)は、キュナード・ライン社が保有するクルーズ客船で、20世紀後半を代表する客船である。

クイーン・エリザベス2

名前は、イギリスの女王エリザベス2世ではなく、先代の「クイーン・エリザベス」の後継であることにちなむ。そのため、名称が2 (Two) であってII (The Second) ではない。船名の前に冠するRMSとは郵便物の輸送に用いられる船につけられるRoyal Mail Shipの略称であり、これを冠することは名誉なこととされる。
1969年に就航し、2004年に「クイーン・メリー2」が就役するまではキュナード・ライン社のフラッグシップであった。本船の就役に先立ち1967年には先代の「クイーン・メリー」(81,237総t)が、1968年には先代の「クイーン・エリザベス」(83,673総t)が退役していたため、就役時の総トン数69,053tはフランスのジェネラル・トランスアトランティック社「フランス」(1962年就役、66,343総t)を抜いて世界最大の客船であった。
主に大西洋横断クルーズに使用されたが、しばしば世界一周クルーズを行ない、日本にも1975年3月5日に神戸港のポートターミナルQ1バースへの初入港以来、何度か寄航している。
1982年に勃発したフォークランド紛争時にはイギリス海軍に徴用され、同海軍の輸送艦として使用された経験もある。その際にはイギリスを代表する客船ということもあり、もしアルゼンチン軍の攻撃により撃沈された際には、国家の威信を傷つけイギリス軍の戦意喪失にもつながりかねないことから、あえて戦闘地域には近づかなかったものの、この際に内外装が大きく傷んだことから、その後改修を受けている。
1987年には動力を蒸気タービンからディーゼル電気推進へすべて更新する大改装を受けた。この際キャビンの増設工事も施工され、総トン数は7万tを超えた。
数少ない遠洋航海の客船の生き残りで、パナマ運河を通過するため全幅32mと細長い船形であり、優美と表現されることもある。そのため、クルーズ船として使う場合は若干不便な面がある。度重なる改装によって船内が雑然としており、老朽化から来る不具合も散見される。遠洋航路時代の伝統から、サービスはモノクラスが基本なクルーズ船にあって、部屋の等級によって利用できるレストランが違うのがサービス面の特徴で、そのため『ベルリッツ・クルーズガイド』では複数のレーティングを保持している。
2008年に客船としては退役し、アラブ首長国連邦のドバイで海上ホテルとなる予定である。キュナード・ラインの親会社カーニバルは2007年10月10日に、2010年就役予定の新クルーズ客船の建造を計画しておりこれが次代の「クイーンエリザベス」と命名されると発表している。新「クイーン・エリザベス」は「クイーン・メリー2」の同級船ではなく、「クイーン・ヴィクトリア」の同級船で総トン数95,000t程度となる模様である。

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